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日本における発酵食品の歴史

乳酸菌を含む食品というと、ヨーグルトやチーズなど海外の食品が多く思い浮かびます。
しかし、実は日本にも昔からたくさんの発酵食品があり、その中には乳酸菌発酵を利用したものも数多くあるのです。

例えば非常に身近な食べ物であるおにぎりも、本来は乳酸菌発酵を利用した発酵食品です。
握ってから少し時間の経ったおにぎりは、普通のご飯と比較しておいしいと感じたことはありませんか?
それは、乳酸菌発酵によって旨みが増したからなんです。
最近ではおにぎりを握る時にラップを使うという方も多くなっていますが、本来はおにぎりは素手で握るものでした。
そして最後に塩をまぶします。
ご飯のデンプン+塩+手の常在菌、この三者が合わさることで乳酸菌発酵が進むのです。

身近な調味料である味噌や醤油も、乳酸菌が豊富に含まれている発酵食品です。
味噌・醤油と言われるとあまり発酵食品というイメージはないかもしれませんが、その元々のルーツは醤(ひしお)と呼ばれるもので、肉や魚などの食材を塩に漬けて保存すると旨みが増しておいしくなるという発見から生まれた調味料です。
この旨みが増すのはまさに発酵の力というわけです。
この醤(ひしお)は東南アジアなどではナンプラーに発展していますし、日本では大豆を使った醤油に発展していったというわけです。

最近ではあまり食べられなくなっている鮒寿司も、発酵食品の1つです。
お寿司というと私たちは握り寿司をイメージしますが、鮒寿司の作り方は握り寿司とは大きく違っています。
鮒寿司は「なれずし」といって、魚を米のデンプンと塩とで乳酸菌発酵させて作るものです。元々はお寿司というとこちらを指していました。
なれずしの場合には乳酸菌発酵による酸味があったのですが、現在の握り寿司では酸味をつけるために酢飯にしているというわけです。

このように見ていくと、実は日本の食文化というのは発酵食品とともに歩んでいるといっても過言ではありません。
旬の時季にしか食材が手に入らなかった昔には、乳酸菌発酵を上手に利用して食材を保存したり、通年通して栄養を取っていたりしたのでしょう。